2012年 05月 18日
【世界遺産】 ストーンヘンジ アクセス・見学のしかた
見学のしかた
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イギリスの鉄道 乗り方リスト

アクセス
ストーンヘンジ周辺は何もない牧草地帯で、歩いていける範囲には鉄道の駅も路線バスの停留所もない。なので、駅からタクシーで行くか、ツアーに参加するか、レンタカーを借りて自分で行くかのいずれかとなる。
駅、バス乗り場、駐車場、遺跡周辺の施設の地図は管理人作成、見学用マーカー付きGoogle Mapを参照。
ツアーに参加する場合
ネットで「ストーンヘンジ ツアー」と検索すれば、ロンドンからのバスツアーがたくさん出てくる。ロンドンからの日帰りツアーがほとんど。ストーンヘンジのみに行く場合なら7~8時間ほど、他の観光地も巡るツアーなら11~12時間ほど。日本語でネット予約できる。
ロンドンから遺跡の最寄り駅まで鉄道で行き、予約不要、実質送迎のみの簡単バスツアー「The Stonehenge tour」に参加する場合。
ナショナル・レールのウォータールー(Waterloo)駅
↓
↓ ナショナル・レールで1時間30分。往復割引で往復35ポンド。予約不要。
↓ ナショナル・レールの乗り方はこちらのブログ記事参照。
↓
ナショナル・レールのソールズベリー(Salisbury)駅
↓
↓ The Stonehenge tour の観光バス。
↓ 30分~1時間おきにバスが発車。送迎料金は往復で大人12ポンド。予約不要。
↓ ソールズベリー駅、およびストーンヘンジからのバス発車時刻、
↓ 料金などについてはこちら(英語)。
↓ 料金は現金でバスに乗り込むときに支払う。
↓
現地
帰りの現地でのバス乗り場は、バス降り場と同じ場所。停留所を示すような看板などはなにもない。行きも帰りも、発車時刻は時刻表どおりだった。
↓ ソールズベリー駅の正面。画面左のレンガの建物がソールズベリー駅の入口。入口はここ一箇所しかない。そして画面右側奥、バスが留まっているところがバス乗り場。

↓ ストーンヘンジ行きのバス。一目で分かる。バスは2階建てで、自由席。遺跡までの道はかなり揺れるので、個人的には1Fがオススメ。

クルマで現地に向かう場合。
施設付属の無料駐車場あり。200台以上のスペースあり。google map
↓ 駐車場入口

↓ 駐車場の様子。収容台数にはかなり余裕がある。

ちなみに、エーヴベリーについて。エーヴベリーはほとんど観光地化されておらず、小さな集落の周辺にメンヒルが立ち並んでいる。衛星写真を見ると、集落を中心とした円形の溝が分かる。エーヴベリーの集落には路線バスの停留所がある。遺跡から約18km北にあるナショナルレールのスウィンドン(Swindon)駅近く、スウィンドン・バス・ステーションから、49番系統。時刻表はこちら。乗車時間約25分。料金不明。
見学のしかた
普段の見学
↓ 入り口にある見学案内看板。

ストーンヘンジ周辺は英国政府が設立した団体「イングリッシュ・ヘリテイジ」により管理され、ビジター・センターで入場券を買うか、ツアーに参加しないと遺跡には近寄れない。
開場時間は季節によって異なる。春と秋は9:30~18:00、夏は9:00~19:00、冬は10:00~16:00。入場は閉場の30分前まで。悪天候の場合は、遺跡に近寄れない場合あり。
入場料。大人7.8ポンド、5~15歳の子供4.7ポンド、大人二人、子供3人までの家族チケット20.3ポンド。
閉場日。12月24、25日。
以上の内容は変更される可能性があるので、必要ならイングリッシュ・ヘリテイジ公式サイト(英語)の入場案内ページを参照。
↓ ストーンヘンジの周辺は、通常は立ち入り禁止。見学コースはこのようにロープで囲まれている。



↓ 右下画像の番号看板は、オーディオガイド(日本語あり)の番号。

↓ オーディオガイド貸し出しカウンター。日本語あり。貸し出し料金は入場料に含まれる。*4

↓ 飲み物、軽食が買えるカフェ。飲食はこの店の周辺や駐車場周辺のピクニック・エリアで。屋根はない。*4


特別公開
通常の見学時刻以外の時間帯で、通常の見学コースから外れてストーンヘンジの石に触れられるほど近づけるツアーがある。要予約。詳しくはイングリッシュ・ヘリテイジへ。電話番号 01722 343830 (英語のみ)
あるいは、旅行代理店Evan Evans Toursのサイト(英語)でも、石に近づけるツアーを企画している。「Stonehenge at Sunrise, Oxford & Windsor Castle」ツアー、もしくは「Windsor Castle, Oxford & Stonehenge at Sunset」ツアー。
問い合わせ
イングリッシュ・ヘリテイジ公式サイト、Contact Usページ(英語)参照。電話番号、Eメールアドレスが記載されている。
遺跡の説明
紀元前3100年~紀元前1100年頃に、建造、および使用。*1
世界文化遺産に1986年登録、2008年登録内容修正
イギリス南部のウィルトシャー(Wiltshire)州にあるストーンヘンジとエーヴベリーは、世界各地にある巨石記念物の中でも、もっとも有名な遺跡群の一つである。それぞれ、環状に配列されたメンヒル(menhir. 地面に垂直に建てられた縦長の巨石)から成っており、天文学的な意味を持つと言われるが、未だその目的は完全には解明されていない。
世界遺産に登録されているのは、観光地化されているストーンヘンジ、また巨大な円形の溝が残るエーヴベリーといったピンポイントの場所だけではない。ストーンヘンジとエーヴベリーの周辺には、新石器時代(紀元前7000~紀元前1700年 *1)から青銅器時代(ヨーロッパにおいては紀元前1800年~紀元前700年 *2)にかけての儀式および葬儀のための記念物、塚、それらに関連する遺跡が多数存在し、これらを含むストーンヘンジとエーヴベリーを中心とした二つのエリアが世界遺産に登録されている。具体的なエリアの地図はこちら。
世界遺産は、その地域や国にとってのみならず、人類全体にとって貴重な財産である。つまり、顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)を持つ。この世界遺産の場合は、以下の理由(登録基準)で顕著な普遍的価値が認められる。
(1) 人類の創造的資質を示す傑作
この世界遺産は、先史時代における顕著な創造的、技術的な業績を示す。
ストーンヘンジは、世界に存在する先史時代のストーンサークルの中では、建築学上もっとも洗練されている。具体的には、まずその洗練されたデザインと独特の技術が挙げられる。同心円の中心にあるトリリトン(trilithon。3つの巨石で構成される門型の構造)やその外側のメンヒルの上部に、巨大な盾を伏せたように巨石が横たわっているのが特徴。これらはぴたりと合わさる凹凸結合部を持ち、しっかりと固定されるようになっている。また、遺跡を構成する岩石そのものも、ブルー・ストーンと砂岩の2種類を使用するのはあまり例がないこと、最大で40トンを超える巨石であること、最長で240kmも離れた場所から運ばれてきたことが特徴的である。
一方、ストーンヘンジほど有名ではないが、ストーンヘンジの北約30kmの場所にあるエーヴベリーのストーンサークルは、先史時代のものとしては世界最大。円周1.3kmの巨大な土塁と溝を含む環状のヘンジ(henge. メンヒルの上に水平に石を置いて連結させた構造物)は、180個の削られていない立石から成っていた(現在残っているのは一部のメンヒルのみ)。外側の大きい環と、内側の小さい二つの環がある。また、先史時代ではヨーロッパ最大の塚、シルバリー・ヒル(Silbury Hill)も、特筆すべき遺跡である。紀元前約2400年に作られ、高さは39.5m、50万トンの石灰岩からなるこの印象的かつ巧みに造られた塚の使用目的は、未だにはっきりしない。
現地の想像図


(2) 建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間、または世界のある文化圏内での、重要な価値観の交流を示すもの
巨石や土でできたこの世界遺産は、紀元前3700年から約2000年間の継続的な建造と使用を通してできあがった当時の建築・土木技術、景観形成過程を知る上で貴重な遺跡である。12世紀、ヘンリー・ド・ハンティングトン(Henry de Huntington)とジェフリー・ド・モンマス(Geoffrey de Monmouth)によって世界の不思議の一つと言われるようになって以来、遺跡は人々の好奇心をあおり、研究と憶測の対象となってきた。またジョン・オーブリー(John Aubrey)、イニゴ・ジョーンズ(Inigo Jones)、ウィリアム・スタックリー(William Stukeley)による初期の調査以来、これらの遺跡は芸術家、建築家、歴史家、考古学者に多大なる影響を与えた。これら二つの世界遺産エリアは、今後の研究にとっても貴重なものであり続けるだろう。
(3) 現存する、あるいは消滅した文化的伝統、または文明に関する独特な証拠を伝えるもの
ストーンヘンジとエーヴベリーの遺跡のこれまでの調査により、イギリスにおける新石器時代と青銅器時代の葬儀や儀式の慣習について、さまざまなことが分かってきた。記念物やその周辺の遺跡のデザイン、位置、相関関係を見ると、当時の社会が、その概念を建造物に投射できるような、裕福で高度に組織化されたものであったことがわかる。顕著な例としては、夏至の日の出と冬至の日の入りの位置が、ストーンヘンジ内の石の配列によって現されていること、エーヴベリー周辺の2km以上離れた遺跡群が、遺跡の配列によって関連付けられていること、などがある。また、当時の葬儀に関する文化が、さまざまな変遷をたどっていたこともわかる。具体的には、かつてストーンヘンジが火葬場として使われていたこと、南イングランド地方で最大とされる、新石器時代の石棺を用いた集合埋葬場が存在すること、ウエスト・ケネット・ロング・バロー(塚)(West Kennet Long Barrow)の存在、そして葬儀儀式の進化を物語るその他数百の埋葬遺跡の存在、が挙げられる。
以上、ユネスコ公式サイト(英語)より。
なお、ストーンヘンジとエーヴベリー遺跡との関連についての記述はなかった。
現在は、英国政府により設立された歴史的建造物保護団体、イングリッシュ・ヘリテイジ(English Heritage)により管理されている。
*1 ユネスコ公式サイト内、世界遺産案内ページ(英語)より。なお、建造開始が紀元前2800年頃から、とする記述(Yahoo百科事典)もある。
*2 Yahoo百科事典より
*3 現地オーディオガイドより
*4 English Heritage公式サイト内、ストーンヘンジ施設案内ページ(英語)より
2012年 05月 11日
タリス(Thalys)の乗り方
タリスのチケット予約・購入を日本語で。人気のユーレイル・パスも
路線図
時刻・料金検索・予約のしかた
格安チケット
乗車のしかた
車内サービス
フランスの公共交通機関 乗り方リスト

タリス(Thalys)は、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツを結ぶ国際超特急列車。フランス国鉄SNCF、ベルギー国鉄SNCB、ドイツ鉄道DBが出資して設立されたタリス・インターナショナル社によって運営されている。SNCFの高速列車、TGVの改良型車両を採用。ワインレッドの塗装が特徴的。最高速度は300km/hを誇る。走る線路は高速走行用に建設されたもので、TGV、ユーロスターなどと共用している。*1
この記事は、パリの北駅(Gare du Nord)からベルギーのブリュッセル南駅(Gare du Bruxelles-Midi)間往復の乗車経験を元に書いてある。それ以外の区間については、この記事の情報とは異なる部分があるかもしれない。
記事中のすべての画像は、クリックで拡大表示されます。
路線図

なおヨーロッパでは、タリスの他にもさまざまな国際特急が運行されている。フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ間を旅行する場合、フランス国鉄SNCFが運営する特急予約サイトかドイツ鉄道DBの公式ホームページに行き、移動したい都市名を入力すると、自動的に最適な列車が検索結果に出てくる。
単なる移動手段ではなく、特定の列車に乗るのが目的の場合は、列車のブランド名でネット検索すれば公式サイトがすぐに見つかり、そこに「Network map」などというタグがあればそれが路線図。
時刻および料金検索、予約のしかた
日本語で検索、予約したい場合は、旅行代理店
単区間のきっぷだけでなく、ヨーロッパ全域をカバーするフリー鉄道パス=ユーレイルパスも販売しており、ヨーロッパの鉄道に関する情報が充実しているのでオススメ。
ただし、代理店を通す場合、予約は乗車予定日の3〜5日前(鉄道の種類によって異なる)までに完了する必要がある。つまり、当日、翌日、2日後の列車を予約するには、下記のタリス公式サイト(英語)から予約する必要がある。
乗車の直前に予約する方は、タリス公式ホームページ(英語版)から。それほど難しくない。

タリスは全席指定席のため、乗車前に予約が必要。
なお、パリ発着なら、SNCFが運営するTGVの予約サイト、TGV-europe.comで、
ケルン(Köln)などドイツ発着の場合は、DB公式サイトでも検索、予約ができる。
当日、駅の窓口で予約、きっぷを購入することもできる。
①

My journey 出発地と目的地を、プルダウンメニューから選ぶ。ホームページ下の路線図から、都市をクリックすることで選ぶこともできる。
Departure Date 出発日時
Return Date タリスに往復割引はないので、選ばなくてもよい。その場合は下の「One-way ticket」にチェックを入れる。
Comfort 2 2等車=普通席
Comfort 1 ファーストクラス
Travelersの下の()内は年齢。該当する人数を入力。
必要事項を入力したら、右下の「SEARCH」をクリック。
②

料金の右側に小さい字で3〜4行書かれているのは、SEMI-FLEXきっぷの注意事項(列車の変更、返金に関する記述)。
「Choose my place」タブで座席を選ぶこともできる。タブをクリックし、「No preference」=「どの座席でも可」をクリックすると、三種類の座席から選べる。
beside 複数人数で乗車する場合、席をくっつける。
window 窓側
aisle 通路側
タリスにも格安きっぷは存在する。Comfort 1と2の違いを除けば、料金の差は、列車の変更や返金の自由度、wi-fiが無料かどうかにより、またそれが同じ内容でも予約の順番が早ければ安い。つまり早い者勝ちの早割り。パリからブリュッセルのComfort 2の場合、もっとも高いのが当日予約正規料金の99ユーロで、逆に最も安いのが39ユーロ。どちらも変更返金不可、wi-fi有料。車内のタリス・バー(Thalys Bar)でWi-fiのチケットが売られている。
③



「How do you wish to collect ticket?」
きっぷの受け取り方法を選ぶ。
Tichetless Eメール。メールで送られてきたチケットを紙に印刷するか、スマートフォン、タブレットPCで車内検札の際提示する。
Self-Service Kiosk 駅の自動販売機で受け取る。
Station or Shop 駅の有人窓口か店舗で受け取る。
ここではTichetlessを選んだ。
Passenger details 代表旅客の情報を入力。*は入力必須事項。
Purchaser details きっぷを受け取るEメールアドレスなどを入力。
General Condiitons 「By check this box〜」は、「タリスのきっぷ販売規定に同意します」の意味。チェックを入れる。
最後に、「Confirm your order」をクリック。
④
「Summary and payment for your order」画面
クレジットカード情報を入力し、「Confirm your payment」をクリック。
⑤
最後に入力内容確認画面で内容を確認して、おしまい。直後にメールでチケットが送られてくる。

送られてきたメールをプリントアウトしたもの。
号車=coach、座席番号=seatも記載されている。
当日はこれを持って、ただ列車に乗るだけ。
車内検札の際、QRコードをスキャンされる。
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乗車のしかた
パリ、北駅(Paris, Gare du Nord)。パリのタリス発着駅。

メトロ、RERで北駅に着いたら、この看板を目印に。あちこちにぶら下がっている。

北駅構内。プラットフォームは1階にある。


北駅のきっぷ販売窓口。駅の1F入口とプラットフォームの間にある。「Billets=きっぷ」と書かれた看板が駅構内のあちこちにあるからすぐに見つかる。当日券を買う場合はここへ。
予約の段階でticketlessを選んだ場合、ここに立ち寄る必要なし。ticketlessを選ばず、Paper ticketを選んだ場合、ここに行ってきっぷを受け取る。受け取りにはクレジットカードと予約番号が必要。
なお、当日予約の自動販売機はない。


列車の発車番線=Voieは、発車の10分くらい前にならないとわからない。この掲示板では一番右に番号が表示されるが、まだどの列車もVoieが決まっていない。乗客たちは掲示板付近に集まり、Voie番号が表示されるのを待つ。


「Voie 9」と表示されたため、みんな足早にそちらに向かう。
えてしてヨーロッパの特急列車車内の通路は狭く、それなのに飛行機と違って荷物は当然持込みだから、乗車直後は通路で身動きが取れなくなることもしばしば。なので、できるだけ自分の号車=Coachに直接乗る。発車まであと5分!
フランス国鉄SNCFの駅には改札口がないことが多い。この北駅もそう。だから、列車に乗り込むまで係員にきっぷや予約フォームを見せることはない。そのかわり、車内での検札はしっかりあって、乗車前に刻印機(上の画像、表示板下の黄色い縦長のモノ)にきっぷを差し込んで、乗車駅と乗車時刻を刻印する必要がある。でも、タリスは全席指定なのでその必要はない。(スマホ画面に刻印はできないし)
あと、一応フランスから外国のベルギーに直行する国際列車なのだが、EU圏内の国の移動の場合、出入国手続きはすべて省略される。日本人も同じ。逆に、イギリスはEUに加盟していないので、ロンドン行きのユーロスターのホームだけは最初から決まっていて、厳重な柵が設けられていた。

Comfort 2 = 普通車の入口近くの表示。号車番号と行き先は、この画像では見にくいが、「2」の横の液晶板に表示されている。

Comfort 2の車内。清潔で快適。日本の新幹線よりも、通路や座席の前後ピッチが狭い。
Comfort 2の客車の一部には、このような向かい合わせの席があり、上の画像のタイプとは入口が別。今回指定されたのはこのタイプの席。


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車内サービス *2
全席でパソコン用電源が使える。
Comfort 2では、チケットによってWi-fiが無料の場合と有料の場合があり、Thalys Barと呼ばれる車内のビュッフェでWi-fiのチケットを販売している。
Thalys Barでは、暖かい簡単な食事、スナック、飲み物が販売されている。内容はこちら。
Comfort 1では、食事や飲み物サービス、タクシー予約サービス、Wi-fi、新聞、パソコン用電源が、すべて無料で提供される。




ブリュッセル南駅(Gare du Bruxelles-Midi)



ブリュッセル南駅の列車案内掲示板。ここにプラットフォーム番号が表示される。


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*1 タリス公式サイト内、Welcome to our world(英語)より
*2 タリス公式サイト内、車内サービス案内(英語)より
site map
2012年 05月 05日
ブリュッセル・メトロ(地下鉄)の乗り方
全ての画像はクリックで拡大できます。

ブリュッセル・メトロ(フランス語でMétro de Bruxelles, オランダ語ではBrusselse metro)は、ベルギーの首都ブリュッセルの地下鉄。ベルギー政府と自治体が出資する公営企業、ブリュッセル首都圏交通(フランス語の略称STIB)により運営されている。
1969年に運行が開始され、現在では7つの路線と70近い駅を持ち、2011年は9200万人以上の乗客を運んだ。*1
路線図
時刻検索
運賃
きっぷの買い方
乗車のしかた
路線図

STIB公式サイト内、路線図ページへ。インタラクティブ・マップが表示される。
PDF版(3.22MB)もダウンロードできる。
地下鉄だけでなく、路面電車=トラムやバスの路線もかなり詳細に書かれている。〇=駅のマークが付いている太線が地下鉄。
地下鉄のみの路線図はこちら(PDF 1.71MB)。
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時刻検索
STIB公式サイト内のJourney Plannerで。出発地と目的地は、駅名=Stopだけでなく、住所、施設名でも入力でき、地下鉄、路面電車(トラム)、バス、徒歩を使った最短時間の行程が表示される。合わせて、詳細な行程地図も表示される。
運賃
全路線均一料金で、2ユーロ。プリペイド方式のICカード、MOBIBを使うと1.8ユーロ。
一般の旅行者が使える割引運賃は以下の通り。*2
回数券。5回分は7.5ユーロ、10回分は11.8ユーロ。
往復きっぷ。3.5ユーロ。
1日乗り放題券 6ユーロ。
小児料金。 6歳未満の幼児は、一人の大人につき4人まで無料。6~11歳の小児は、J-Ticketがあれば無料。J-Ticketは駅でもらえる。発券の際、5ユーロのデポジット(チケットを使わなくなったら駅の窓口で返却すると返金される)を支払う。*3
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きっぷの買い方

ブリュッセル・メトロのシンボルマーク。
すべての駅の入口にこのマークがある。

自動販売機。
英語表示に切り替えられる。
試してみたが、途中から操作の仕方がわからなくなった。
駅員は販売窓口以外には見当たらず、
他の人に聞こうにもフランス語とオランダ語は話せないので、
残念ながら断念。

駅のきっぷ販売窓口。
KIOSKとあるけど、一般的な売店ではない。
駅員さん、英語は堪能ではない雰囲気だったが、
「1 day pass, please」
(1日乗り放題きっぷをください)
で通じた。

一日乗り放題きっぷ。
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乗車のしかた
ブリュッセル・メトロの駅のうち、大型の一般的な地下鉄車両が走る1,2,5,6号線には改札口がない。そのかわり、ホーム入口に設置してある機械にきっぷを通す。

これは2号線、トラム車両が走る駅に設置されている機械だが、カタチや機能はほぼ同じ。
上からカード状のきっぷに印刷されている矢印方向にきっぷを入れると、同じところから出てくる。タイムカードみたいなイメージ。
ブリュッセル・メトロに乗り降りするには、列車のドアを自分で開ける必要がある。
左:新型車両のドアを開けるボタン。これは外側だが、内側にも同じボタンがある。
右:旧型車両のドアの場合。これは外側。内側はちょっと形状が違うレバー。


乗車前のきっぷの機械への通し方、列車のドアの開け閉めなどは、こちらのyou tube動画が参考になる。

一方、こちらは3,4,7番線を走る地下鉄。
路面電車と同じ車両。

この車両の場合、降車の前に、あらかじめこのブルーのボタンを押しておくと、その付近のドアが開く。
乗るときは、2枚のドアの合わせ目のグリーン(だったと思う)のゴム状のラインを押すと、ドアが開く。

また、3,4,7番線の場合、乗り降りの際は改札口がある。
この機械に、きっぷに印刷された→方向にきっぷを差し込むと、同じ場所からきっぷが出てきて、改札機のドアが開く。
出口表示
左:出口は直進。
右:出口は左方向。


▲ページの先頭へ
*1 STIB公式サイト 企業紹介ページ(英語)より
*2 STIB公式サイト 料金案内ページ(英語)より
*3 STIB公式サイト 子供の乗車についての案内ページ(英語)より
2012年 05月 03日
ナショナル・レールの乗り方
ナショナルレール特急のチケット予約・購入を日本語で。人気のユーレイル・パスも
ナショナル・レール(National Rail)は、旧イギリス国鉄ブリティッシュ・レールの路線運行を引き継ぐ形になった旅客鉄道会社の集合体のブランド名。日本のJRと似ていなくもないが、JRよりも多数(24社)の運行会社が存在し、また駅、線路などのインフラは、より公的な色が強いネットワーク・レールという別の企業体が所有している。イギリスのいろいろな施設の公式サイトを見ると、鉄道でのアクセスの欄に、ナショナル・レールと書かれていることもあれば、ネットワーク・レールと書かれていることもあるが、旅行者にとっては両者は同じものと考えていいと思うし、現地では、駅に行くにもきっぷを買うにも列車に乗るにも「ナショナル・レール」だけで十分通用する。なので、

このマークで表される列車はみんなナショナル・レール、ということで、少なくとも一般の旅行者には問題ないと思う。
イギリスの他の公共交通機関の乗り方
これはナショナル・レールの一つ、サウス・ウエスト・トレインズの車両。どーでもいいが、パンタグラフと架線がない。日本では懐かしいディーゼルかと思いきやそうではなく、電車。走行用とは別に、地上に電源供給用のレールがある。

路線図はこちら(ネットワーク・レールの公式サイト。英語)。イギリス全土、イギリス南部、ロンドン近郊の路線図がPDFで載っている。
時刻および料金検索
ナショナルレールの特急列車を日本語で検索、予約したい場合は、旅行代理店レイルヨーロッパ(RAILEUROPE)日本語公式サイトが使える。記事の冒頭にリンクのバナーを貼っておいた。英語での検索、予約に不安がある方はそちらへ。
単区間のきっぷだけでなく、ヨーロッパ全域をカバーするフリー鉄道パス=ユーレイルパスも販売しており、ヨーロッパの鉄道に関する情報が充実しているのでオススメ。
英語でもいけるという方は、以下を参照。そんなに難しくない。
ナショナル・レール公式サイトホームページのJourney Plannerで。他言語対応ページだが日本語はない。
ナショナル・レールの公式サイトでは、特急列車の場合のみ?格安チケットが買える。ただし、当日の列車は正規料金のみ。
例えば、ロンドンのセント・パンクラス国際駅(St. Pancras International)からカンタベリー・ウエスト駅(Canterbury West)の場合、当日の正規料金は片道32.8ポンドだが、前日以前だと最安13.6ポンド(60% off!)で買える。流れは、
出発地、到着地、日にちを入力 → 列車を選ぶ → 名前、メールアドレス、クレジットカード情報を入力 → チケット番号がメールで送られて来る。
ただし、メールだけでは列車には乗れず、駅の自動券売機か駅の窓口で、きっぷに変えてもらう必要がある。その際、日本語は使えない。
では、以下でネットでのきっぷ予約の方法を記載。
ページ上部、「Find my train times & fares(時刻と料金検索)」に、必要事項を入力して「GO」。
往復利用の場合は、「Add a return journey」をクリック。ナショナルレールは往復割引がスゴイ。後ほど詳述。
大人一人以外の場合は、「Passengers 1 Adult」をクリックし、人数を入力。class(ファーストクラスか2等車か)とrail cardは、必要ならチェックを入れる。
ナショナル・レールにも遠距離を走る特急が存在するが、特急料金はない。つまり、時間のかかる鈍行で行こうが、速い特急に乗ろうが、出発地と目的地が同じなら料金は一緒。1等車、2等車の料金の違いはある。
特急列車の場合、座席指定となり予約が必要な場合がある。どの列車が座席指定なのかは、上記Journey plannerで列車を検索し、「Buy Now」をクリックするとわかる。「Buy Now」から料金を選ぶページにいくと、座席を選ぶ項目が出てくる。なお「Buy Now」をクリックしても、クレジットカード情報を入力していないのでもちろん課金されない。
小児運賃
5~15歳は半額。
4歳以下は無料。ただし料金を支払っている者の付き添いが必要。無料になるのは2人まで。3人目からはどうなるかは不明。おそらく半額料金を払う必要があると思われる。また満席の場合、無料の子供は座席を一人で占有することはできない。*1
レール・カード(Rail Card)
1年間有効のパス。このカードがあれば、きっぷを正規料金の2/3の値段で購入できる。15~26歳用、シニア用、家族用などがあり、1年間で28ポンド。ネットで購入可能。詳しくはナショナル・レール公式サイト レールカード案内ページ(英語)参照。
オフピーク(off-peak)割引
混雑時間帯を避けた場合の割引。上の方法で時刻&料金検索すると、検索結果の料金のところに「anytime=割引なし」「off-peak」と書かれている。いろいろ料金検索してみたところ、平日の午前8時30分以降に発車する列車に乗る場合に適用されるようだ。ただし割引率は低く、せいぜい数ポンド。
往復割引(Return)
ナショナル・レールはなんと言ってもこの割引が大きく、往復するならこれを使わない手はない。一日で往復する場合、往復料金が片道料金とほぼ同額! 行きと帰りが別の日でも、割引率は40%を超える。
往復割引にはいくつか種類があって、オフピーク割引、同日往復割引と組み合わさっている。たとえば、
anytime day return = オフピーク割引なし、同日往復料金
off-peak day return = オフピーク割引および同日往復料金
off-peak return = オフピーク割引および、同日ではない往復料金
といった具合。
ナショナル・レール公式サイト、Journey planner(時刻および料金検索)の、「Add a return journey」をクリック。
帰りの旅程を入力して「GO」をクリック。検索結果が表示される。
「return from」の料金が片道料金とほぼ同じなので、??と思うかもしれないが、これで往復分の料金。「2 single from」の料金が、片道きっぷを別々に買った場合の料金。
このページから、往復の列車を選び、「Buy Now」をクリックすると、各運行会社のサイトに飛び、そこでネット経由できっぷを購入できる。会員登録が必要。自分はやったことがないのでここでの解説は省略する。往復割引はネット購入だけではなく、当日駅できっぷを買う場合でも利用できる。
なお長距離列車の場合は、Return=往復できっぷを買うより、2 Single=片道2回分を、片道格安きっぷで買ったほうが合計が安い場合が多々ある。 Journey Plannerはもっとも安いきっぷを自動的に選択肢に提示してくるので、自分で試行錯誤して探す必要はない。
格安きっぷの注意点
長距離列車の格安きっぷの場合、列車が指定されていて変更ができないことが多い。Journey Plannerから列車を指定、「Buy Now」から購入手続きを進めていき、料金表示のところに小さく「Specified train only. No refunds」といったようなことが書かれていれば変更・返金は不可。
なお、料金表示や旅程情報の欄に「1 change」と書かれていても、それは列車の変更が1回OKという意味ではなく、乗換え回数を表す。
駅でのきっぷの買い方
ロンドン、ウォータールー駅。


きっぷ販売窓口は「Tickets」と表示される。

なお、出口表示はEXITではなく、Way Out。
きっぷ販売窓口。

自動販売機での買い方

液晶画面の初期画面。オイスターカードを使う場合は右、それ以外は左の「Press here to Buy tickets for travel」にタッチ。

次に、行き先入力画面が現れる。今いる駅から近いか、よく利用される駅名のアイコンが表示される。

画面に行きたい駅名がない場合、画面下部中央、「Any destination」にタッチ。アルファベットで駅名を入力する。
次は、経由地を選ぶ画面。特にない場合は「Any permitted」にタッチ。

次は、きっぷの種類を選ぶ。

上記、往復割引のところで少し触れたが、ここで改めてアイコンに使われている単語の意味を解説。
Standard 2等車
First 1等車
off-peak オフピーク割引適用。きっぷを買う時刻ではなく、列車の出発時刻で決まる。
anytime オフピーク割引なし=平日の朝に出発する列車の場合。それ以外の時間の列車にも乗れる。
Day 当日のみ(厳密に言うと、翌日の午前4時29分まで*2)有効。
Single 片道
Return 往復
ここで左、上から1番目「Standard off-peak Day Single」と2番目「Standard Off-peak Day Return」のアイコンに注目。前者が34.7ポンド、後者が34.8ポンド。0.1ポンドしか違わないので、つい、return=帰りの片道きっぷ、と勘違いしそう。しかししつこいようだが、returnは行き帰り両方の往復料金。
ここでは「Standard Off-peak Day Return 34.8ポンド」を選んだ。
次に支払い。この機械では紙幣、硬貨、クレジットカードが使える。このときはクレジットカードを使った。

クレジットカード挿入口は、10キーの下。「Banknotes」と書かれたところにあるスリットは、紙幣挿入口。
カードを入れると金額が10キー上の小さい画面に表示され、「Enter PIN」と出るので、クレジットカードの4ケタの暗証番号を入力、最後に緑色のENTERボタンを押す。
近距離の旅行だったため、座席指定はない。

乗り方
ロンドン、ウォータールー駅のコンコース。
ターミナル駅の場合、発車時刻10分くらい前にならないと、何番線から列車が出るのかわからないのが普通。コンコースの掲示板をにらみながら、発車番線(Platform)が表示されるのを待つ。

午前10時41分。10時50分発の列車の発車番線=プラットフォーム番号が表示された。


掲示板に発車番線が表示されたら、改札口を通ってそこに向かう。


自分の知る範囲では、すべて自動化されている。
きっぷを改札機前面上部、オイスターカードをタッチする黄色い丸い部分の手前から入れると、黄色い丸い部分の向こう側から出てくる。
きっぷを引き抜くとドアが開く。
出口改札機でも同様。きっぷを入れ、出てきたきっぷを引き抜くと出口改札機のドアが開く。
First Class(1等車)の入口。2等車にはなにも書かれていなかったような記憶が。

左:列車のドア、外側。黄色いライトが点いているボタンを押すとドアが開く。自動では開かない。
中:列車のドア、内側。外側と同じく、ボタンを押すとドアが開く。閉めるためのボタンもあるが、押さなくても発車時には自動で閉まる。
右:デッキと客室を仕切るドア。ここにもボタンが。やはり押すとドアが開く。



ナショナル・レールの一員、サウス・ウエスト・トレインズの2等車の車内。清潔で快適。座席の上に座席番号がふってあるが、特急ではなかったので自由席。

*1 ナショナル・レール公式サイト 小児料金案内ページ(英語)より
*2 ナショナル・レール公式サイト 料金案内ページ(英語)より