【国登録有形文化財|国立天文台 三鷹キャンパス】 建物の画像、説明 その2 (東京都 三鷹市)
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> 大赤道儀室・旧図庫および倉庫・レプソルド子午儀室・ゴーチェ子午環室・第一子午線標室・第二子午線標室
1 大赤道儀室
2 旧図庫および倉庫
3 レプソルド子午儀室
4 ゴーチェ子午環室
5 第一子午線標室
6 第二子午線標室
表門、門衛所、第一赤道儀室、太陽分光写真儀室(アインシュタイン塔)の写真、解説ページはこちら。
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国立天文台三鷹キャンパス内の国登録有形文化財建造物は、赤マーカー
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1 大赤道儀室 国登録有形文化財 地図・赤5
赤道儀(せきどうぎ)とは、地球の自転に合わせて動く星や太陽を追尾する、望遠鏡の台のことです。設計は東京帝国大学営繕課。大正15年(1926年)に竣工しました。現在は天文台歴史館として使われています。地面からの高さは19.5m、ドーム直径は15mもある、巨大な建築物です。建設当時、この巨大な半球ドームを作る技術が建築業者にはなく、船底を作る技術を持った造船技師の力を借りて作られました。建物の外壁には、11〜12世紀のヨーロッパ・ロマネスク様式の建築に多く見られるロンバルト帯と呼ばれる小さなアーチを繰り返す装飾がつけられていて、ヨーロッパ歴史主義の影響を受けた明治建築に近い特徴を持っています。
2階にある65cm屈折望遠鏡は、屈折望遠鏡としては日本最大の口径を誇っており、主に、星の位置測定を行なっていました。1998年3月で研究観測から引退しましたが、現在でも観測が可能な状態を保っています。観測床はエレベーター式に上下し、望遠鏡がどんな向きになっていても、楽な姿勢で望遠鏡を覗くことができるようになっています。なお、現在の床は固定されており、動きません。
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2 旧図庫および倉庫 国登録有形文化財 地図・赤6
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3 レプソルド子午儀室 国登録有形文化財 地図・赤7
大正14年(1925年)竣工。鉄筋コンクリート造。当時流行していた新しい造形芸術運動であるセセッションの流れを汲んでおり、直線模様が柱の頭部や入口のひさし部分に使われており、建物にアクセントを与えています。建物内部は現在「子午儀資料館」となっており、入口から見学することができる。観測時には、鉄骨造りの屋根が中央から左右に分かれて開閉する仕組みになっている。
なお子午儀とは、経度や時刻を決めるため、子午線上を通過する天体を観測する装置のことです。子午儀資料館の中央に設置されたレプソルド子午儀は1880年ドイツ製で、海軍省海軍観象台が購入した本格的な天体観測装置です。天文台が港区麻布にあった頃は、時刻の決定と経度測量に使われていました。三鷹に移されてからのレプソルド子午儀は、月、惑星、主要な小惑星の赤経(地球の重心を原点、自転軸を南北とする仮想の球(天球)の経度)の決定に使用されました。昭和12年(1937年)以降は主に恒星の赤経観測に使用され、昭和24年(1949年)に日本で初めての本格的観測星表である「三鷹黄道帯星表」が出版。昭和37年(1962年)には「三鷹赤道帯星表」も出版されました。レプソルド子午儀は130年以上の歴史を持った基本的な天文観測装置として、日本の天文学史上、とても貴重な望遠鏡です。この点が評価され、このレプソルド子午儀は、平成23年(2011年)に国の重要文化財に指定されています。
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4 ゴーチェ子午環室 国登録有形文化財 地図・赤8
大正13年(1924年)竣工。半円形のドームに、出っ張った入口の屋根が台形、というユニークなデザインです。基礎と側壁は鉄筋コンクリート造、ドーム屋根は金属板葺きの鉄骨造。天体観測時には屋根は左右にスライドして開く仕組みで、屋根開閉の機構は今もそのまま残されています。
内部中央に据えられたゴーチェ子午環はフランス製。明治37年(1904年)に導入されました。当時天文台のあった麻布で試験的に使用され、三鷹に移転後、主要装置として本格稼働しましした。なお子午環とは、子午線(真北、天頂、真南を結んだ天空上の線)上の天体の精密位置を観測するための望遠鏡で、天体位置観測には不可欠な存在でした。そのため子午環の基礎は建物から独立し、基礎周囲には砂を入れ、建物の振動が伝わりにくいように工夫されています。また、子午環は南北方向でのみ回転する仕組みで、軸線を正確に捉える必要があります。そのため子午環からそれぞれ南北100mの位置に、第一および第二子午線標室(ともに登録有形文化財だが非公開)を設置し、軸線の制度を確保していました。長期にわたって眼視による観測を行ってきましたが、のちにCCDカメラ(デジタルカメラ)を使った精密な観測も行われるようになり、現在では、大気の揺らぎの影響を受けない衛星を使った位置観測が一般的となり、ほぼ使われていないそうです。
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5 第一子午線標室 国登録有形文化財 地図・赤9
非公開。建物は藪に覆われており、接近することもできません。
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6 第一子午線標室 国登録有形文化財 地図・赤10
非公開。
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88 天文機器資料館。

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国立天文台内の他の4つの国登録有形文化財(表門、門衛所、第一赤道儀室、太陽分光写真儀室)の写真、解説は、こちらのページへ。
by h9w457y8i
| 2025-04-22 06:26
| 東京
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