【世界遺産・史跡|関吉の疎水溝】 行き方、見学のしかた (鹿児島県)
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江戸時代末期。欧米列強の脅威から国を護る必要性を感じていた薩摩藩主・島津斉彬(しまづ なりあきら)は、近代的な武器などを造るための工場群、集成館事業を推進していました。その一方、蒸気機関が本格的に導入されるまで、集成館の工場群で使用されていた主な動力は、水車によるものでした。本格的な工場群の動力源となりうる水力が、どうしても必要となったのです。そこで1852年、磯の別邸、仙巌園に水を供給するためにもともと築かれていた吉野疎水を再整備し、新たな水路を築いて集成館の工場群に工業用水を送る仕組みを作りました。これが関吉の疎水溝(せきよしのそすいこう)です。取水口とする巨大な岩を削る道具も、溝を繋いでいくためのU字溝やセメント、更にはトンネルを掘る機械もない中で、わずか8mの高低差を利用し、8kmに及ぶ水路を築き上げました。水路の途中の18箇所のトンネルは、全て手掘りで通しています。また、磯の集成館側では吉野台地から落とした水を懸樋(かけひ)によって水車に送り、大砲に穴を開ける動力に使ったり、別の水路の水を砂鉄の選別などにも利用していました。疎水溝の一部は現在も灌漑用水として利用されています。平成25年(2013年)に国指定史跡「旧集成館」の構成要素として追加指定され、また平成27年(2015年)には、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つに登録されました。
アクセス
関吉の疎水溝は、赤マーカー1
スマートフォンで地図が見にくい場合は、画面を横向きに
最寄りの駅から徒歩
徒歩圏内(3km)に鉄道の駅はありません。
強いて言えば、一番近い鉄道の駅は、JR、鹿児島市電の鹿児島駅で、徒歩距離で6.6km離れています。
歩くと1時間30分くらい。
バス
JR および 鹿児島市電 鹿児島中央駅から
東口バスターミナル 東11番のりば(上の地図・青5)から、
南国交通 7系統「本城」行き、あるいは「蒲生・楠田」行き(本城経由)
南国交通 8系統「緑ヶ丘団地」行き
南国交通 9系統「伊敷小前」行き
のいずれかに乗車。
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[運行頻度] 全ての系統を合わせ、1時間に2〜3本。
[運賃] 260円
[所要時間] 30分
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「関吉の疎水溝入口」バス停(地図・青1)下車。

バス停から現地まで、徒歩約6分(400m)。
南国交通は、全国共通交通系ICカードに対応していません。(2020.1)
バスの時刻、料金検索は、各種乗り換え案内アプリ、Google Map ルート案内機能が対応しています。
南国交通のHPでも時刻や料金は調べられますが、
土地勘のない旅行者には、検索しにくいサイトの構成になっているような気がします。
駐車場
施設付属の無料駐車場があります。
駐車場には門などはなく、いつでも利用できます。
駐車場入口は、上の地図・青4。

稲音駐車場(青3)、臨時駐車場(青2)があります。

今回の訪問では、臨時駐車場に停めました。

駐車場から現地までは、徒歩約4分(300m)。
見学のしかた
疎水溝は稲荷川の取水口(上の地図・赤1)から海沿いにある仙巌園までおよそ8km続いており、現在でも用水路として使われています。
その全てで見学が可能というわけではありません。
見学用の通路や現地案内看板が整備されているのは、取水口付近のみのようです。
取水口付近の見学者用通路は屋外の施設で、門などはないのでいつでも見学できます。
無人の施設で、無料です。
1 駐車場(地図・青2,、青3)からはこんな感じの看板があって、迷うことはないでしょう。

2 案内に従って進むと、稲荷川沿いのピクニックエリアみたいな場所に出ました。

3 ピクニックエリアには、文化財の案内看板もあります。

4 そこから、さらに川に沿って進みます。
通路の右側が、疎水溝です。

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16 稲荷川。その右岸、通路の柵に沿って水路があります。

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9 ここにも、案内看板。

14 水路の壁は、もっと石でゴツゴツした感じなのかと思ってましたが。

15 コンクリートで一部、後から作り直したんでしょうかね。

11 水門ですかね。コンクリート製だから、後から付け足したのかな。

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10 見学通路の終点が、取水口になっています。地図・赤1

6 疎水溝とは反対側の川岸。キレイな滝がいくつもありましたよ。

7 疎水溝側からも滝が。

文化財分布マップ
(全国の国宝、重要文化財建造物の詳細位置をプロットしています)
このページは、
九州旅ネット公式サイト
文化庁国指定文化財等データベース
現地案内看板
などの記述を参照しています。
by h9w457y8i
| 2020-05-13 09:43
| 鹿児島
|
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