【重要文化財|旧三河島汚水処分場 喞筒場施設】 見学に行ってみた。(東京都 台東区)
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東京都台東区、隅田川の近くに、東京都下水道局の三河島水再生センターがあります。
その敷地の中に、今から約100年前、大正時代に造られた日本で最初の下水処理施設が残っていて、それが国の重要文化財に指定されているというので、見学に行ってみました。
見学には、電話かネットでの事前予約が必要です。
予約について、詳しくは前回の記事を参照してください。
スマートフォンで地図の右側が見にくい場合は、画面を横向きに
東京さくらトラム(都電荒川線)の、荒川二丁目駅で下車。

そこから歩いて3分で、水再生センター(下水処理場ですね)の正門(地図・青1)に着きます。



今回の見学者は自分一人でした。
スタッフの方が正門のところで待っていて、事務棟の中の見学者用の部屋に連れて行ってくださいました。

案内された机の上には、自分の名前と、たくさんのお土産が。

そこで重要文化財に指定されている喞筒(ポンプ)場の説明ビデオを見ます。15分くらいかな。
その後、スタッフの方に付いて、施設の見学が始まりました。
まずは、正門横にある案内看板を見ながら、文化財の概要を説明してもらいました。

正門の横にある石碑。

明治時代の初めの頃には、既に横浜や神戸で下水施設は造られていましたが、微生物を使った本格的な近代下水処理場は、ここが初めてだということでした。
正門からまっすぐ進むと、二つ並んだ小さい建物が見えてきます。

東と西の、阻水扉室(そすいひしつ)。地図・赤1
下流にあるポンプ場施設のメンテナンスなどのために、流れ込む下水をここで止めるための扉が地下に設置されていて、その扉を上げ下げするための機器が置いてあります。レンガ風のタイルが表面に貼り付けられた、鉄筋コンクリート造の建物です。

下水処理施設に流れ込む下水が二手に分かれているのは、片方がメンテナンス中でも、もう片方を開けて下水処理を行えるようにするためです。


二つの阻水扉室の間から、下流の沈砂池(ちんさち)と濾格室(ろかくしつ)が見えます。

阻水扉室の下を通った下水が、沈砂池に流れ込む場所。

これは単なる飾りではなく、縁を補強するためなのだそうです。
二列の沈砂池と、その下流にある濾格室。

沈砂池(地図・赤2)は、下水をゆっくり流してそこに含まれる泥や砂を沈め、取り除く働きをします。
細長い池の両側上端には、溝の跡みたいなのがありますが、ここにはかつて、池の底に沈んだ汚泥を取り除く装置と、それを移動させるレールが埋め込まれていました。

濾格室(ろかくしつ)。地図・赤3
煉瓦造りのようにも見えますが、レンガ風のタイルを表面に貼り付けた鉄筋コンクリート造です。

濾格室内部。

濾格室内の濾格機。

今残っているのはオリジナルのものではなく、改良型です。
濾格室の下流には、量水器室(りょうすいきしつ)があります。地図・赤4
地面の下に埋まっています。

ここにはベンチュリー管が埋められていて、そこで「ベルヌーイの定理」を応用して下水の流量を計ったそうです。
......流体力学に関しては、正直よくわからないので、スルーです。(笑)
量水器室の更に下流に、喞筒室(ぽんぷしつ)があります。

「喞筒室の手前から、地下の下水管に入ります」
って、案内のスタッフの方はサラッと言ってましたが。
えー?! 下水管の中に入るんですかー。
水道系の文化財建造物は全国各地にあって、あちこち行きましたけど。
そこまで公開しているのは、初めてです!
ヘルメット装着! なんかワクワクします。(笑)

スタッフの方の後について、階段を降りていきます。

おお〜、下水管の中だー。しかも100年前の。
「喞筒井接続暗渠」(ぽんぷせい せつぞくあんきょ)という文化財名もちゃんと付いてますよ。


下水管の底には、穴の開いたタイルみたいなのが敷き詰められていました。

二手に分かれていた下水は、この暗渠の中で合流します。

そのあと、下水は10ある喞筒井(ぽんぷせい)に分散されます。
喞筒井とは、ポンプで下水を吸い上げる井戸のことです。
この画像の奥が、喞筒井。

ん〜、それにしても、かすかにではありますが、下水と、消毒液が混ざったみたいな、微妙なニオイがずっと鼻をくすぐり続けてるんですよねー。
それはそれで、リアリティがあって、気分が上がります。(笑)
喞筒井どうしは、こんな地下水路でつながっています。

喞筒井どうしをつなぐ管を開け閉めする、でっかい鉄の扉。


喞筒井。画像中央に見える垂直の管で、下水が地上に吸い上げられます。
喞筒室(地図・赤5)の真下にあります。


垂直管の真下には「富士山」と案内の方が呼ぶ三角錐の構造物がありました。

円筒形の喞筒井の中心から、管が少し横にズレた位置にあるのも、下水を吸い込みやすくするための工夫なんだそうです。
再び地上に戻ってきて。
喞筒室。地図・赤5

やはり、レンガ風のタイルを貼り付けた鉄筋コンクリート造の建物です。

喞筒室の前面には、こんな感じの低い擁壁(コンクリートでできた壁)があります。
海面に近い低い土地のため、洪水でポンプが浸水しないようにするための工夫です。

喞筒室内には、10台の汚水ポンプがズラリと並んでいます。


ポンプを横からよく見ると、垂直の管の上の部分が渦巻き型になっています。
これは当時の最新流体力学から編み出された、画期的な型なのだそうです。

汚水ポンプ。

喞筒室の天井は、トラス構造になっています。

国宝で世界遺産でもある、群馬県の富岡製糸場と同じですが、あちらと違うのは、梁の部分にカーブを持たせて、より強度を高めているところです。
量水器室で計測された圧力の差から、下水の流量を表示、記録するベンチュリーメーター。

喞筒室内から、喞筒井を上から見たところ。
さっき、この下から上を見上げました。

喞筒室の二階は資料室になっており。

文化庁が発行した重要文化財指定書のレプリカ?が展示されていましたよ。



資料室から、喞筒室の外に出ました。

横に長〜い喞筒室と、その上流の量水器室。

手前(右)から、沈砂池、濾格室上屋(ろかくしつ うわや)、喞筒室。

ここまで、集合時間から所要時間1時間30分ピッタリ。
いやあ、楽しかったです。
文化財分布マップ
(全国の国宝、重要文化財建造物の詳細位置をプロットしています)
このページは、
東京都下水道局 公式HP
旧三河島汚水処分場喞筒場施設 見学用公式サイト
文化庁国指定文化財等データベース
現地案内看板
現地配布パンフレット
案内スタッフの説明
などを参照しています。
by h9w457y8i
| 2020-02-01 21:06
| 東京
|
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