【重要文化財】 四日市旧港港湾施設

重要文化財
四日市旧港港湾施設
よっかいちきゅうこう こうわんしせつ

防波堤
西防波堤
顕彰碑


アクセス、見学のしかたはこちら

b0212342_07480791.jpg

 古くから良港として知られた四日市湊が、近代港湾としての形を整えたのは明治15年(1882年)のことである。地元の廻船問屋、稲葉三右衛門が私財を投じて開始した改修工事は、途中三重県への移管を経て三右衛門自身の手により完成し、このとき現在旧港と呼ばれる港湾施設のおおよその形が整えられた。その後明治21年の暴風雨と翌年の台風によって防波堤が破損したため、同26年から公営による改修工事が着手され、翌27年(1894年)に竣工している。
 四日市旧港港湾施設は、防波堤と西防波堤からなり、西防波堤の側の陸地に顕彰碑(けんしょうひ)、同じくその付け根に「明治廿七年五月建立」の銘をもつ記念碑がある。
 防波堤は、総延長199mで、旧港湾内を包み込むように湾曲して延びる。埋立て高4.7m(以下大堤という)と3.7m(以下小堤という)の防波堤が平行する二列構造をとり、大堤には五角形の水抜穴が49か所設けられている。この特徴的な防波堤の構造は明治27年の改修時に設けられた。この改修工事を請け負ったのは服部長七であり、彼が発明したとされる人造石工法がこの防波堤にも用いられている。港外側の小堤を越えた海水が両堤の間にある溝にたまり、水抜穴から港内に流れ出すようになっており、波の力を直接受けて防波堤が破損することを防いでいる。水抜穴から海水が流れ出す様子から「潮吹防波堤」の名で親しまれている。この特徴的な形態の考案者は、服部長七ともオランダ人土木技師ヨハネス・デ・レーケとも伝えられるがいずれも確証はない。
 昭和16年(1941年)から21年(1946年)にかけて防波堤の付け根の直線部分を東に延長した線上より北側が埋め立てられ、さらに同27年から30年にかけて防波堤の先端と先の埋立て地を結んだ地域まで埋立てが進んだ。また、昭和37年には伊勢湾台風後の高潮対策として大堤の上部にコンクリートによるかさ上げが行われ、水抜穴も埋められているが、先端部約14.7mはかさ上げと水抜穴の封鎖がなされなかったために、旧状を残している。
 西防波堤は、石積みで総延長77mであり、直線状に延びている。防波堤と同じく、上部にコンクリートによるかさ上げが行われている。
 顕彰碑は、私財を投じて四日市港築港に貢献した稲葉三右衛門の功績をたたえるため、明治37年(1904年)に建てられた(本体には「明治三十六年六月建」の銘がある)もので、石積基壇の上にフルーティングのある西洋古典様式風の柱身が載る。
 四日市旧港港湾施設は、明治期に建設された港湾施設の姿を良く残しており、わが国の築港技術の近代化の過程を示すものとして貴重である。とくに防波堤は、他に類例を見ない水抜穴を持つ二列構造をとっており、技術的に見てきわめて価値が高い。



↑ 施設周辺の地図。
顕彰碑周辺は公園として整備されている。防波堤周辺は工場の敷地内であり、接近は不可。
b0212342_08080926.jpg
↑ 西防波堤と防波堤。西方向から。
b0212342_08203377.jpg
b0212342_08204858.jpg
b0212342_08204037.jpg
↑ 防波堤
b0212342_08082470.jpg
b0212342_08213977.jpg
b0212342_08214566.jpg
b0212342_08214971.jpg
↑ 西防波堤
b0212342_08192734.jpg
↑ 西防波堤。北から。
b0212342_08222419.jpg
↑ 附(つけたり)に指定された記念日。
b0212342_08132076.jpg
↑ 稲葉翁記念公園。西防波堤の根元にある。
b0212342_08154013.jpg
b0212342_08155290.jpgb0212342_08160046.jpg
↑ 稲葉翁記念公園内にある顕彰碑。
b0212342_08133291.jpg
b0212342_08104744.jpg
b0212342_08124897.jpg
b0212342_08110251.jpg
↑ 稲葉翁記念公園内にある、潮吹き防波堤の巨大模型。案内看板にあるボタンを押すと、プールに波が起きて、潮吹き防波堤の仕組みがわかるようになっている...はずが、ボタンを押しても何も起きなかった。
b0212342_10160782.jpg

アクセス、見学のしかたはこちら
三重県・近代文化遺産リスト



by h9w457y8i | 2016-04-25 07:22 | 三重 | Comments(0)
だけでなく、世界各地の世界遺産見学のしかた、海外鉄道の乗り方、各地を訪れた時の街角スナップも。