【世界遺産】 オーストラリアの囚人遺跡群 コカトゥー島囚人施設
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世界文化遺産
オーストラリアの囚人遺跡群
コカトゥー島囚人施設
Australian Convict Sites Cockatoo Island Convict Site
1839年以降、建設。
世界文化遺産に2010年、登録。
島の地図
「オーストラリアの囚人遺跡群」の概要
18世紀から19世紀にかけて、オーストラリアは大英帝国の植民地であったと同時に、広大な流刑地でもあった。その目的は、流刑囚たちの労働力を植民地のインフラ建設や資源採掘にあてることだった。1787年から1868年にかけて、約16万6千人の囚人が、英国本国で有罪判決を受けてオーストラリアに流され、社会復帰のためと称して強制労働に従事させられた。その中には、政治犯や女性、そして些細な罪で捕らえられた9歳以上の子供も含まれた。
世界遺産に登録されたこの遺跡群は、別々の場所にある11の遺跡からなる。それは、大英帝国がオーストラリアに築いた数千の囚人施設の中のほんの一部分に過ぎない。この遺跡群は、大規模な囚人輸送、そして植民地拡大が囚人の労働力によって支えられてきたことを示す現存する遺跡として、貴重である。*1
コカトゥー島の概要
囚人収容施設となる前のコカトゥー島にはアボリジニの人々が住んでいた。1839年、囚人収容施設となることが決定され、その後造船施設が建設されていった。19世紀後半には、少年院として使われていたこともあった。1880年から再び刑務所として使われるようになり、造船工場は拡大。第二次世界大戦中は、軍艦建造のための重要な施設となった。その後もオーストラリア海軍艦船の建造は続けられ、1992年まで続いたが、その年に工場は閉鎖された。*2
現在ではオーストラリア政府による管理の下、文化遺産として一般公開されている。オーストラリアで唯一、囚人たちの手によって建設された乾ドック(船舶の製造や修理を行う設備)や、当時の囚人たちが管理・監禁されていた状況や労働環境を物語る建造物を見ることができる。*3
すべての画像はクリックで拡大表示されます。
島までの唯一の交通機関、シドニー・フェリーの船上から。

左:船着場。 右:船着場そばの管理棟。


管理棟隣のビジター・センター(観光案内所)。



文化遺産であることを示すプレート。
ビジター・センターそばのカフェ。食べ物を売っているのは島内でここだけ。営業時間はこちら。


観光案内所エリア全景。


ビジターセンター付近は公園のように整備されている。
ビジター・センターの奥に広がる作業場。



なぜか島内のあちこちの施設に、アーティスティックな落書き?が。


島の周辺は、造船作業がしやすいように、海面に近い高さの広い場所が確保できるよう、大きく削られている。削り残した部分と作業エリアは、高さ20mほどの崖で隔てられている。


左:観光客用に作られた階段。



トラックが通れるトンネル。島の南北の造船施設を結ぶ。


トンネルの北側出口。


もう一本のトンネル。歩行者のみ。こちらのほうが長い。


工場エリア






工場の屋根には、太陽電池パネルが。
オンボロに見える建物も、放置されているわけではない証拠。





右:施設は現在でも修復工事を受けている。


島の南側にある、フィッツロイ(Fitzroy)・ドック





同じく島の南側にある、サザーランド(Sutherland)・ドック。

潜水艦用クレーン。




艦船を海に下ろすための進水用スロープ。

崖の上の作業エリア。








左:給水塔



地面に埋まった配電盤?
建物の一つは観光客に映像を見せるために改造してあった。いつどんな映像が見られるのかは不明。崖の上の看守居住地区。



右:観光客のための宿泊施設。詳しくは下の見学メモ参照。


左:宿泊する観光客のための?テニスコート。切り立った崖の上にある。
右:軍隊の野営地?と思いきや、観光客のためのキャンプサイト。キャンプについては下の見学メモ参照。


島の周辺は風光明媚な高級住宅地。

見学メモ
アクセス
google map

シドニーのサーキュラー・キー(Circular Cuay)、
5番桟橋(google map参照)
↓
↓ シドニー湾を航行する水上バス、シドニー・フェリーの
↓ Woolwish/Balmain ferry route
↓ あるいは
↓ Parramatta River ferry routeで。
↓ 乗船時間、約10分*2
↓ 運賃、大人片道5.6ドル。
↓ 時刻表はこちら。運行頻度は1時間に2本程度。
↓
コカトゥー島着。
シドニー・フェリーの乗り方、運賃などについては、こちらの記事を参照。
公共交通機関であるシドニー・フェリー以外でも、水上タクシーや自前の船でも接舷・上陸は可能。*2
普段の見学
オーストラリア政府公式サイト内、コカトゥー島案内ページ(英語)によると、島に上陸できる時間、閉鎖日などの記載はなく、いつでも上陸・見学ができるようだ。
島内の見学は無料。
フェリーを降りて目の前にあるビジター・インフォメーション・センター(観光案内所)は10:00~16:00に開いている。
島内には4つのオススメ見学コースがある。コースの内容はこちら(英語)。地図はビジター・インフォメーション・センターで。
オーディオ・ツアー(英語のみ)あり。再生機をビジター・インフォメーション・センターで借りて、それを持って自分で見学する。5ドルでレンタル。

このようなオーディオ・ガイドの看板があちこちにあり、この番号順に回れば島内をもれなく見学できる。見学所要時間は1.5~2時間。
島内での飲食 事冒頭のカフェの他、バーや飲み物の自動販売機がある。また、飲食物の持ち込みも可能。ピクニックエリアもある。詳細はこちら(英語)。
島内での宿泊 広いキャンプサイト、そして数は少ないが、島内の一軒家やアパートメントに泊まることができる。すべて予約制。詳しくはこちら(英語)。
特別公開
情報は見つけられなかった。
問い合わせ
Sydney Harbour Federation Trust Head Office(日本語訳不明)へ。英語での電話、およびE mailでの対応。
*1 ユネスコ公式サイト内、世界遺産紹介ページ(英語)より
*2 オーストラリア政府公式サイト内、コカトゥー島紹介ページ(英語)より
*3 オーストラリア政府観光局公式サイト内、囚人遺跡群案内ページ(日本語)より
by h9w457y8i
| 2012-04-18 18:40
| オーストラリア
|
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