【重要文化財】 旧吉原家住宅

きゅうよしわらけじゅうたく


附(つけたり*1) 御成門(おなりもん)

1825年(江戸時代後期)、竣工。

桁行(けたゆき*1)16.9m、梁間(はりま*1)12.9m、切妻造(きりづまづくり*1)段葺、南面玄関附属、本瓦葺(ほんがわらぶき*1)、一部桟瓦葺(さんかわらぶき*1)
西面南突出部 桁行11.9m、梁間7.9m、切妻造、本瓦葺、
西面北突出部 桁行8.9m、梁間6.0m、切妻造、本瓦葺、一部桟瓦葺

国指定重要文化財  平成11年(1999年)、指定。






旧筑後川橋梁から歩いていける距離に、重要文化財に指定された江戸時代後期の民家があるというので、夕暮れ時に訪ねてみた。



「吉原家は,江戸時代には町の別当職(町の行政的支配者*2)を代々勤め,後に大庄屋を兼ね,巡見使等の宿泊にも供された旧家である。
 屋敷は南面し,正面中央に御成門を構え,前庭を挟んで主屋が建つ。主屋は部材の墨書より文政八年(1825)の建築で,天保九年(1838)には幕府巡見使の宿泊に備えて増改築が行われた。御成門はこの時に新造されたものである。
 旧吉原家住宅は,複雑な屋根の構成と大壁造の重厚な外観,玄関から上ノ間に至る接客部分と、住居者用の内向き部分の動線が明確に区分された平面構成に特色がある。
 また,楠の大材を使用した土間廻りの豪快なつくりと,優れた細工による座敷廻りの洒落た意匠とを兼ね備えている。江戸後期の上質な大型民家の姿を伝えるものとして,高い価値が認められる。」
文化庁文化財等データベースより



御成門と、その前の道路。
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附(つけたり)に指定されている御成門(おなりもん)。
幕府からの使者や藩の支配階級など、身分の高い賓客しか通れず、普段は閉まっていた。
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1月上旬に訪れたため、しめ飾りが見える。


御成門の軒下から、主屋正面、接客部分。ここには藩主や藩の支配階級の武士、幕府からの使者を迎えた。賓客を迎える上の間は御成門をくぐった正面に位置しており、客は玄関を通らず、直接屋敷に上がれるようになっていた。また保安の目的で、かつては御成門とこの接客部分の間には衝立があり、通りから身分の高い者の訪問をうかがえないようになっていたが、重要文化財指定に合わせて取り払われ、このような庭が整備された。
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この木は屋敷が立てられたときからあったらしい。
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玄関。和風建築の屋根では最も高級とされる入母屋の屋根に本瓦葺。屋根の造りだけでも格式の高さがうかがえる。
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間取り図。
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三の間から上の間方向。
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三の間。天井を見ると(画像が暗くて分かりにくいが)、何枚もの板を並べてある。
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一方、上の間の天井はもっと大きな長い板=高級材となり、高級な部屋の証らしい。
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上の間。
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上の間にあった、文部大臣発行の「重要文化財指定書」。
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上の間の欄間。細かい細工がなされている。木工の町、大川の伝統工芸である。
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接客部分の部屋と濡れ縁の間にある、入側(いりがわ)。書院造に見られる。御家来衆の控えの場でもあった。
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接客部分の濡れ縁。縦方向は一枚の板で、長さは10m以上。こんな長い真っ直ぐな木材はなかなか手に入らない。京都からわざわざ取り寄せたそうである。ここにも高い格式の証が。
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次の間。
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一方、居住者と使用人が使っていた土間の梁。楠(くす)の巨大な板を使っており、豪快なつくりとなっている。
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土間の梁の中に見える、打ち出の小槌。節を隠すための棟梁の遊び心らしい。このような細工は屋敷のあちこちに見られる。
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台所。
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居住区域に設けられた2階。明治になり、藩がなくなってから設けられた。最初になかったのは、ここからだと上の間や次の間の賓客を見下ろすかたちになってしまうため。
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母屋の北側に建つ、2棟の土蔵。現在は資料館となり、吉原家の所蔵品を展示している。
訪問時は閉館していた。
……それと、屋敷の案内をして下さった係の方。建物の特色や構造はもちろん、吉原家の成り立ちから大川市の歴史まで、幅広い知識をお持ちで、こちらからの質問にも常に即答されていた。
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現地案内看板。
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見学メモ

アクセス
<鉄道およびバス>
① 西鉄天神大牟田線「西鉄柳川(にしてつやながわ)」駅経由の場合。
駅前バスターミナル、2番乗り場。(旧筑後川橋梁の記事に乗り場の画像あり。)
 ↓
 ↓ 西鉄バス「佐賀駅(バスセンター)(佐賀駅BCと表記されることもある)」行の路線バスで、
 ↓ 約20分。1時間に2本。350円。suica使用可(旧筑後川橋梁の記事参照)。
 ↓ 時刻表は西鉄バス公式ホームページ参照。
 ↓
「中原高木病院前(なかばるたかぎびょういんまえ)」バス亭(下の地図の黒アイコン)
 ↓
 ↓ 徒歩約16分(約1200m)
 ↓
現地。
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下の地図の、駐車場を示す黒アイコンの辺りに、このような案内看板がある。
画像に写っている道路は県道734号線。

② JR長崎本線「佐賀」駅経由の場合。
佐賀駅の東寄り高架下の「佐賀駅バスセンター」
 ↓
 ↓ 西鉄バス「西鉄柳川駅」行の路線バス。約30分。1時間に2本。480円。
 ↓ 時刻表は西鉄バス公式ホームページ参照。
 ↓
「中原高木病院前」バス亭。ここからは西鉄柳川駅経由参照。

<クルマ>
九州自動車道八女ICより、約15km。あるいは長崎自動車道東脊振ICより、約17km.
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施設附属の見学者専用駐車場(下の地図の黒アイコン)。
5~6台程度のスペースがある。無料。

<鉄道およびレンタサイクル>
西鉄柳川駅で自転車を借りられる。5~24時。一日500円。自転車のタイプは、いわゆる「ママチャリ」。詳しくは、西鉄公式サイト内、駅レンタサイクル案内ページ参照。
西鉄柳川駅から現地まで、約7.9km。


google map

普段の見学
開館時間、休館日については、大川市役所公式サイト内、旧吉原家住宅案内ページ参照。見学無料。
案内係の方による、吉原家の成り立ちや建物についてのかなり詳しいガイドあり。無料。予約不要。

特別公開
特になし。

問い合わせ
現地案内所(大川市公式ホームページで、「旧吉原家住宅」でサイト内検索)、もしくは大川市教育委員会へ。大川市役所公式ホームページ参照。




*1 用語解説
*2 大川市教育委員会作成のパンフレットより。
by h9w457y8i | 2012-01-20 10:52 | 福岡 | Comments(0)
だけでなく、世界各地の世界遺産見学のしかた、海外鉄道の乗り方、各地を訪れた時の街角スナップも。